円安ってなに?なんで起こるのか徹底解説ー値上げとの関係は?

投資
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最近様々なニュースで円安ということと、それに合わせて値上げが言われている。

しかし、円安ってどういうこと?と言う方も多いかもしれない。

この記事では円安がなんなのか、為替のしくみを簡単に紹介して、私たちの生活にどんな影響があるかを解説する。

 

nigimo

30代半ばにして待望の第一子が産まれたどこにでもいるサラリーマン。
最近、趣味である筋トレとランニングにハマると同時に子育てと投資の勉強に日々奮闘。
薬剤師の視点で日本の医療保険について解説。また、薬剤師とは関係ないが、実際に使ってみて日々の生活に役立つ情報をまとめています。

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為替レートとは

2つの国のお金を交換するときに使われる

例えば、私たち日本人がアメリカで買い物しようと思うと、日本の円は使えない。

アメリカで買い物するためには、アメリカのお金であるドルを使う必要がある。

しかし私たちは円で給料をもらっていて、ドルを持っていないことから、円をドルに換えなければならない。

この時、円とドルをいくらで交換するかというのが為替相場(為替レート)である。

今の例は円とドルの話だったが、もちろん円と中国の元やヨーロッパのユーロと交換する際にも為替というものが存在する。

つまり、「2つの国のお金を交換するときの交換比率」を言う。

 

円安とは?ーお金を交換するときの価格はシーソーの関係

この為替レートは、どっちのお金に価値があるかで日々変動している。

簡単に言うと、「ドルが欲しい」という人が多ければ「ドルの価値が上がる」=「円が安くなる」。

これが円安である。

つまり「円安」とは、相対的に円の価値が低くなっていることである。

逆に、円を欲しい人が多ければ、「円の価値が高くなる」=円高となる。

 

この様に、円と交換する価格はシーソーのような関係となっており、どちらかの通貨が高くなれば、もう一方の通貨は下がる。

円安の具体例

もともと1ドル=100円と仮定する

ドルが欲しい人がたくさんいた場合、1ドルを100円ではなく110円でも欲しいと思う人が出てくる。そうすると1ドル=110円になる。

それでもさらにほしい人がいる場合、1ドルに120円出す人が出てくる。

こういった流れで、円の価値がどんどん下がるのだ。

 

今は円安?

2022年6月時点で1ドル=136円を突破

過去5年のドル/円の為替レートの推移を添付する。

グラフが上がっているのはドルを買うために必要な円が多くなっている(=つまり、円安)ということだが、過去5年はだいたい1ドルあたり105~115円くらいの間で行ったり来たりしていた。

しかし、最近数か月で一気に136円までなっており、ものすごい円安になっている。

引用:TradingVeiw(2022年6月21日22:00時点)

今の円安は24年ぶり

では、どのくらい珍しいことかというと、過去に136円になったのは最後が1998年であり、およそ24年ぶりの水準だ。

【1994年以降の推移】

引用:TradingVeiw(2022年6月21日22:00時点)

なんで円安になるのか?

ドルの価値が上がっている

なぜ円安になるのかというと、最初に説明した通り、円に比べてドルの価値が上がっている(または、円の価値が下がっている)からだ。

円の価値が下がっていると言われてもなかなかピンとこないかもしれないので、少し説明する。

過去の為替レートの動きには様々な理由があるが、今回の円安の大きな理由はアメリカの利上げである。

アメリカの利上げとは?

アメリカの利上げとは何だろうか。

簡単に言うと、お金を借りたときにかかる利子(金利)が高くなるということだ。

アメリカは2022年に入って、今まですごく低かった金利を上げている。

 

なぜアメリカは利上げしているの?

アメリカはなぜ急激に金利を上げているかというと、インフレがものすごいことになっているからだ。

どういうことかというと、例えばマイホームで言うと、マイホームを買いたい人が多くなれば、その分良い家は値上がりしていく。

今、アメリカは様々な理由で物の量が減っているのに欲しい人が多い状況で、あらゆるものの値段が上がっている。

そこで、国として金利を上げることで、家が欲しいと思う人を減らそうとしている。

つまり、マイホームを買うなら住宅ローンでお金を何千万円と借りると思うが、金利が高いと返さなければいけない金額が高くなる。

そうすると、そこまでして家を買いたい人が減り、家を買いたい人が減れば家の値段も下がってくるだろうと考えられて、今金利が上がっている。

 

アメリカの金利が上がると円安に?

なぜアメリカの金利が上がると円安になるのか?

それは、借りる人は金利が上がると借りにくくなるが、逆に貸す人は金利が高いなら貸したいとなる。

その場合、円で貸すよりドルで貸した方が金利が高いのであれば、みんなドルで貸したいと思うようになり、ドルの人気が高くなる。

これが、ざっくり今起こっている円安の原因である。

 

なぜ日本は金利を上げないのか?

では同じように日本も金利を上げれば、円安にはならないがなぜやらないか、である。

これについては、日本の景気が悪いからである。

景気が悪いので、企業に対してはなるべくお金を借りて投資をしてほしいし、一般人にはマイホーム購入などをしてほしいと考えている。

金利を上げると、お金を借りてまでと考える人が増え、景気がますます悪くなるため、日本は金利を上げられないのである。

 

円安の生活への影響

多くの輸入品が値上げ

食料品や飲み物等

日本は多くの食料品、例えば小麦粉やトウモロコシなどは、日本ではあまり作られておらず多くが海外からの輸入に頼っている。

例えばアメリカで1ドルで買えるものを日本から購入しようとすると、ドルでの値段は変わらないのに1ドルに交換するための円が昨年は115円で良かったものが、今は136円必要になる。

ということは、海外で昨年3,000円で買えていたものが、海外では値段が変わっていなかったとしても今は3,500円を超えることになる。(=3,000円×136円/115円)

そもそも海外も値上げされているので、それにプラス円安であり、輸入しているものはどんどん値上げされると考えられる。

東洋経済の記事で値上げされるものの一覧があったので合わせて参考にしてほしい。

 

iPadも値上げ

iPadを作っているAppleもアメリカの会社なので、当然この円安の影響は受ける。

Appleは先日iPadシリーズの値上げをすると発表した。

ものによるが5,000円くらいから、高いものでは1万円以上の値上げになる。

まだiPadとiPodだけだが、今後iPhoneも値上げが予想される。

 

逆に輸出は好調に(生活にはあまり影響なし)

輸出する際には販売時にもらえる円が増える

逆に日本の製品を海外で売る場合、同じ1ドルで販売した時にもらえる円が多くなる。

1ドル115円であった昨年末に、海外に100ドルの製品を販売すれば11,500円になる。

一方で、1ドル136円になった今販売すれば、同じ100ドルでも13,600円になり円安の影響だけで2,000円以上利益が増える。

しかし日本製品でも必ずもうかるとは限らない

ただし、注意が必要だ。

日本でイチからすべて作った製品の場合は輸出で利益が増える。

しかし、材料を海外から買って日本で製品にする場合には、いくら日本製といっても海外から買った材料の値段が円安によって値上がりしてしまうため、必ず輸出企業が好調になるとは限らない

 

まとめ

ざっくりまとめると以下のとおりである。

  • 円高・円安とは、円と海外の通貨に対して相対的に決まる
  • 円高でも円安でも、生活に対しては良い影響と悪い影響があり一概にどちらが良いとは決めにくい
  • しかし、円安があまりに急に進むと生活に必要なものが一気に値上がりする可能性があり庶民にはダメージ

 

 

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