薬局での薬購入費用が控除ーセルフメディケーション税制と活用方法

健康
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『セルフメディケーション税制』というものを聞いたことはあるだろうか。

聞いたことがあるだけで、どんなシステムなのか、健康な我々でも活用できるのか、本記事ではわかりやすく解説したいと思う。

nigimo

30代半ばにして待望の第一子が産まれたどこにでもいるサラリーマン。
最近、趣味である筋トレとランニングにハマると同時に子育てと投資の勉強に日々奮闘。
薬剤師の視点で日本の医療保険について解説。また、薬剤師とは関係ないが、実際に使ってみて日々の生活に役立つ情報をまとめています。

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セルフメディケーション税制って何?

制度ができた背景は日本の医療費高騰

日本は超高齢社会になっており、日本の税金収入に対して医療費がものすごく掛かっている。

特に細かく見る必要はないが、日本で掛かっている医療費は下のグラフの通り右肩上がりで、留まるところを知らない。

参考:内閣府HP https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/2030tf/281020/shiryou1_2.pdf

 

病院にかかると医療費が掛かることから、それほどたいしたことがない病気(主に風邪とか)については、病院に掛からずに自分で薬局で薬を買ってもらう様にしたいという国の思惑から、薬局での薬購入を優遇するシステムとして導入された。

これも全く読む必要はないが、厚生労働省の資料に記載されている制度概要を以下に引用・抜粋する。

適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組(※1)を行う個人が、平成29(2017)年1月1日から令和3(2021)年12月31日までの間に、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品(※2)の購入の対価を支払った場合において、その年中に支払ったその対価の額の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が8万8千円を超える場合には、8万8千円)について、その年分の総所得金額等から控除する。
(※1)特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診
(※2)要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品(類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除く。)

 

システムの概要

対象の薬はたくさんある

スイッチOTCと呼ばれる薬の中で、厚生労働省が指定している薬が対象となる。

スイッチOTCと言われてもピンとこないと思うので、後で具体的な製品をいくつか紹介するが、かぜ薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬 、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などが対象となっている。

ただし、全部が対象というわけではないので注意が必要だ。

具体的な製品としては、花粉症などで使う人が多いであろう「アレジオン」、風邪薬であれば「イブA錠」や「イブクイック頭痛薬」、「コルゲンコーワ」各種、痛み止めのシップは「フェルビナク」、「バンテリン」などである。

挙げるとキリがないためこのくらいにしておくが、薬の箱に以下のロゴがあるかどうかで判断できる。

是非、薬を購入するときはこのロゴがついているか確認してほしい。

対象品目は適宜更新されているため、何が対象になっているか気になる方は厚生労働省のHPも参考にしてほしい。

 

対象となる人は薬を薬局で年間12,000円以上購入した人(病院に掛かってもらう薬は対象外)

セルフメディケーション税制のロゴがついている薬を購入しても、全員が税金控除の対象になるわけではないので注意が必要だ。

①と②を両方とも満たす人が対象となる。

①薬局での薬の購入金額が年間で12,000円以上(上限は88,000円まで)
②予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組みを行っている人

①はわかるけど、②って何なの?

②は「健康のためにちゃんと頑張っている人が対象だよ」ということになります。
サボっている人は対象になれないため注意しましょう。

ということで、具体的には何をしていれば②を満たすのかというと、ざっくり以下のどれかをやっていればOKだ。

・インフルエンザの予防接種を受ける
・がん検診を受ける
・健康診断を受ける
・人間ドックを受ける

これは、領収書や検診結果などの提出が必要になるため、なくさないように保管が必要だ。

いくらお得になるの?

いくらお得になるかは、人によって異なってくる。

というのも、「税控除/減税」になることから、所得税などから控除されるため、そもそもいくら納めているかによってお得になる額が変わってくる。

ここでは年収500万円の人でざっくり計算してみる。

年収500万円の人が5万円分の薬を買った場合どうなるか?

計算は非常に複雑で、年収ではなく「課税所得」で計算される。

課税所得とは、年収の中で全部が課税対象にはならないため、実際に税金がかかる部分の収入のことを言う。

例えば年収500万円の人の場合、課税所得分は240万円程度になる(詳細は自分の年収と課税所得で調べてもらえればと思う)。

課税所得が240万円の場合、所得税・住民税から7,600円分減額される。つまり約15%(=7,600円/50,000円)のお金が引かれる。

15%引きと考えると非常にお得ではないだろうか。

計算は以下のサイトでシミュレーションできるので、自分の年収から計算してみてはいかがだろうか。

 

申請の方法⇒確定申告で

セルフメディケーション税制を活用する場合には、確定申告が必要だ。

確定申告は毎年2月~3月くらいに行う必要があり、前の年に購入した分を申告する。

申告にはレシートが必要なので、必ず保管しておく必要がある。

そのうえで、厚生労働省の以下のサイトで順番に確認できるので、是非以下のリンク先を参考にしてほしい。

なお、確定申告の詳細は人によってかなり変わるので、是非確定申告の説明を見ながら、控除にチャレンジしてはどうだろうか。

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