カロリーゼロ・カロリーオフに騙されるなー実はカロリーゼロは0kcalではない!

健康
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カロリーゼロやカロリーオフの食べ物がたくさん売られているけど、それってどれ程意味があるの?

カロリーオフと聞くと飛びつく人も多いと思います。今回はカロリーゼロ/オフとはどういったものなのか、身体に本当に良いのか解説します。
特にダイエットしていてなんでもカロリーオフを選んでいる方は参考にしてください。

 

nigimo

30代半ばにして待望の第一子が産まれたどこにでもいるサラリーマン。
最近、趣味である筋トレとランニングにハマると同時に子育てと投資の勉強に日々奮闘。
薬剤師の視点で日本の医療保険について解説。また、薬剤師とは関係ないが、実際に使ってみて日々の生活に役立つ情報をまとめています。

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カロリーゼロやカロリーオフとは?

カロリーゼロは0kcalではない!?

「カロリーゼロ」と言っているのに、ゼロカロリーではないとはどういうことか?と思うかもしれない。

しかし、結論から言うと、「ゼロカロリー」や「ノンカロリー」食品は、0kaclとは限らない

え?
ゼロカロリーと言っているのに?何を言っているの?

何を言っているのか意味が分からない人も多いかもしれないが、「カロリーゼロ」は食品表示基準によれば、100mLまたは100gあたりで5kaclまでは0kaclと表示できるとされていて、必ずしも0kaclとは限らないのだ。

引用:e-gov:食品表示基準(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=427M60000002010

低カロリー/カロリー控えめ、カロリーオフも意外とカロリーが含まれる

カロリーゼロ同様に、低カロリーやカロリーオフなども、記載する基準が設けられている。

飲料メーカーのDyDoがきれいに表でまとめているため、そちらを引用する。

特にカロリーが減ったという表記(カロリーオフ等)は、もともとのカロリーが高い場合はたいして減っていない可能性もある。

カロリーを含まない カロリーが低い カロリーが減った
記載例 カロリーゼロ
ノンカロリー
低カロリー
カロリー控えめ
カロリーオフ
カロリー〇%減
基準 100mLまたは100gあたり
5kacl未満
100mLあたり20kcal未満
(食品は100gあたり40kcal未満)
他の同種の飲料に比べて100mLあたり20kcal以上
(食品は100gあたり40kacl以上)減らした
かつ25%以上低減

引用:DyDo HP(https://www.dydo.co.jp/faq/entry/97

そもそもカロリーって?

これまでカロリー表示について説明したが、そもそもカロリーってなんだ?という人も多いと思う。

カロリーとは栄養素の様に思う人もいるだろうが、単にエネルギーの単位のことだ。

1Lの水を1℃温度上げるために必要なエネルギーのことを1kcalという。

そのため、エネルギーとなるものは全てカロリーにカウントされる。

ちなみに人間は脂肪などでエネルギーを蓄えている。脂肪は1gで9kcalとされているため、脂肪1kgは単純計算で9,000kcalとなる。ただし、人間の脂肪は水分や細胞を構成する物質も含まれるので、単純に9,000kcalではなく、人間の脂肪1kgあたりで約7,200kcalと言われている

瘦せるためのカロリーの考え方

さて、人間が痩せるためにはどうしたらよいか?

一言で言うなら、摂取するエネルギーより、使うエネルギーが多ければ良い。

例えば、1か月で1kg痩せようと思う場合、1か月で食べる量より、1か月で消費するエネルギーを7,200kacl多くすればよいということだ。

1か月(30日)で7,200kcal消費するということは、1日当たり240kcal(=7,200kcal÷30日)消費するようにしたら良い。

240kcalというと、食パン半分、卵1個、発泡酒500mLロング缶等である。毎日これらを食べたり飲んだりしているのであれば、これをやめることで良いということで、1か月で1kgであれば結構簡単そうに思う。

ちなみに運動でその分減らそうと思うと、ジョギング30分くらい、ウォーキングだと50分くらいとのことだ。

カロリーとは|タニタマガジン | タニタ
食品や運動のカロリー。この「カロリー」とはどういったものなのかをご説明します。タニタ マガジンは、「世界の人々の健康づくり」に貢献するため日々研究を続けるタニタがお届けする、健康に役立つ情報コンテンツです。

カロリーゼロ食品は身体によいのか?

カロリーゼロに含まれるもの

糖ではない甘味料

カロリーゼロとは、エネルギーがゼロということだ。

エネルギーがないということは、人間ではエネルギーにできないものでできているということになる。ではジュースなど、エネルギーにならないものでなぜあんなに甘いのだろうか。

普通は砂糖などが使われるが、糖分は人間ではエネルギーになる。エネルギーが無いということは島以外でできている。

下の図で甘味料を分類しているが、カロリーゼロ系は下の「非糖質系」が用いられている。

特に人工甘味料が使われる

カロリーにならない甘味料として、天然と人工のものがある。しかし、天然物はそれなりに値段が掛かることから、安いお菓子やジュースなどは人工甘味料が使われることが多い。

例えば、植物由来の天然甘味料であるステビア。楽天市場で調べると500gで2,000円くらいが相場だ。

一方で、良く使われる人工甘味料であるアスパルテーム(商品名:パルスイート)は600gで1,000円くらいだ。

これを比べると、原材料費を抑えるなら断然人工甘味料が使われるだろう。

以降は、代表的な人工甘味料であるアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリンについて解説する。

アスパルテーム

人工甘味料の代表格、アスパルテームについて解説する。

基本情報

アスパルテームは天然に存在しない化合物であるが、砂糖の200倍くらいの甘味を持ち、その味は「後甘味でわずかに後引きがあり、砂糖に近く柔らか」だと言われている。

砂糖の200倍のため、ごく少量で甘くなり、カロリーもほぼない(1gあたり4kcal)ため、ゼロカロリーと表記可能だ。

体内での分解と身体への影響

アスパルテームは体内で分解しても糖質にはならない。そのためカロリーがほぼない。

分解されと「アスパラギン酸」「フェニルアラニン」「メタノール」になる。

これが安全かどうかの論争に火をつけていて、現在も決着がついていない。

というのは、メタノールのは猛毒であり、そのまま飲むと失明や最悪の場合死に至る。

ただし、これはそのまま飲んだ場合であり、アスパルテームを少量摂った後の分解でできる量は、本当にごくごく少量のため、現状影響はないとされている。

これに対して動物実験などは行われているようだが、長い期間、たくさん摂取した人への影響はまだ解明されていないため、むやみやたらに摂ることはオススメできない。

スクラロース

基本情報

スクラロースは砂糖の600倍と言われている。

スクラロースは砂糖を少しいじった形であり、比較的砂糖に似た甘味と言われている。

体内での分解と身体への影響

スクラロースの安全性は、良く分からない。安全だという意見もあるし、危ないという意見もある。

そのため、どちらの意見もまだ信用しない方が良い。

スクラロースは消化管からほとんど吸収されず、その構造のまま便中に排泄される。吸収されるのは摂取量の10~30%程度と言われており、吸収された分は尿中に排泄される。

ほとんど吸収されないので、比較的安全性が高いのでは?と言われている一方で、スクラロースの構造は塩素原子が含まれた有機塩素化合物であり、ダイオキシンやDDT、PCBsとの類似性から危険性を指摘する論もある。

一方で、それら有害な有機塩素化合物とは異なり、水に溶けやすいため素早く排出されるし、多量に投与しても神経毒性や脂肪への蓄積を示さず、体内で塩素を遊離することもないため、安全だという報告もある。

つまり、良く分かっていない、ということだ。

アセスルファムK

基本情報

アセスルファムKも砂糖の200倍くらいの甘さを持つと言われている。

また、その味は後を引かないすっきりした味であると言われているが、後味が不自然に感じる様だ。ちなみに高濃度ではわずかに苦くなる。

体内での分解と身体への影響

消化器官からそのまま吸収されて体内で代謝されない。そして、数日以内にそのままの形で尿の中に排泄される。

吸収はするが、そのまま排泄するためカロリーはほとんどないのがアセスルファムKの特徴だ。

FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の評価によれば、アセスルファムKは変異原性・ガン原性は認められず、毒性試験では無害、各種動物実験でも安全性が確認されていることから、比較的安全に使われている。

一方で、その製造過程に疑義があるという声もある。

サッカリン

基本情報

サッカリンは砂糖の350倍くらいの甘さを持つと言われている。

かなり甘い一方で、痺れるような刺激の後味があると言われており、高濃度では苦味を感じる。

体内での分解と身体への影響

消化器官からそのままの構造で吸収されて、数日で尿中に排泄されるとされている。

しかし。過去には動物実験で膀胱癌の発生が見られたため、サッカリンには弱い発癌性があると考えられていた。そのため、一度は使用禁止になったが、その後にサルも含めて改めて様々な動物実験が行われたが、発癌性は示されなかった。

このような経緯で、今では見直しを受けて、発癌性物質リストから削除されているが、日本では使用量が制限されている。

人工甘味料は実はよくわかっていない

良く分かっていないが良く使われている

基本的な情報を紹介したが、まだ良くわかっていないことや、過去は危ないとされていたことが見直されたりと、まだまだ分からないことが多いのがこの人工甘味料だ。

カロリーは確かにないし、少量でも砂糖の何百倍も甘いため原材料費が安く抑えられることから、砂糖の代替として現在はいろいろなもので使われている。

摂取上限を超えないようにしよう

紹介したように日本では様々な人工甘味料の使用が認められている。

しかしいずれも、毎日摂取できる上限量(一日摂取許容量(ADI))というのが設定されている。

思ったより少ないような気もするので、ジュースの飲みすぎやお菓子の食べ過ぎにはぜひ注意してほしい。

一日摂取許容量(mg/kg体重/日) 体重60kgの人の場合(g/日)
アスパルテーム 40mg 2.4g
スクラロース 15mg 0.9g
アセスルファムK 15mg 0.9g
サッカリン 5mg 0.3g

 

まとめ:ジュースの飲みすぎやお菓子の食べ過ぎには注意

まとめは、結局のところ食べ過ぎ飲みすぎ注意という、ごくごく当たり前のことを守ることだ。

一応、安全と言われる範囲で摂取量が設定されているため、全く食べてはいけないわけではない。

危険だという論調の記事やコメントなどをよく見かけるし、逆に安全だと言っている記事も多くある。

どちらもそれぞれ正しいところもあるし、まだわかっていないところもある。

結局は何でも摂りすぎが良くないということであり、上限は守りつつ、できれば摂取を最小限とできるように気を付けながら生活することを薦める。

参考文献

https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/181262-1-11.pdf

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