英語の前置詞は様々な使い方がある一方で、使い分けが分かりにくいものが多い。
本記事では似たような意味を持つ「about」と「around」について、イメージと共に良く使われる表現を整理する。
まず、それぞれの大まかなイメージはこんな感じで捉えていただくと良い。
around:くっきりと周りを囲むイメージ
「about」はボンヤリと周りを囲むイメージ
aboutのイメージ
ボンヤリ周りを囲む
aboutの周りを囲んでいる状態をイメージしてもらいたい。その上で、しっかりと囲むのではなくボンヤリとしているイメージだ。
後ろで説明するaroundはしっかり囲むイメージのため、そこが大きな違いになる。
このボンヤリした感じが、「約」とか、「~について」などの日本語訳につながる。
aboutの使い方
約○○、だいたい○○
一番イメージしやすいのは「約○○」というものだと思う。
これはちょうどの値や時間などが分からないけど、ボンヤリ周りを囲んでいるイメージで「だいたいそのくらい」というときに使われる。
【例】
I walked about 5km. 私は約5km歩いた。
The store open about 10:00. その店は10時頃に開店する。
He is about 180cm. 彼はだいたい180cmです。
~について
「~について」も良く使われる表現だ。
例えば、This is a book about fish.は、「これは魚についての本です」となるが、魚というものの全体的な内容を含むようなことから、aboutは「~について」というイメージもある。
【例】
This is a book about fish. これは魚についての本です。
I want to kow about you. 私はあなたについて知りたいです。
ちょうど~するところだ
意外と忘れがちだが、知っていると便利な表現として「ちょうど~するところだ」というものもある。
例えば、I am about to leave.(私はちょうど出かけるところだ)という使い方がある。
これは、「to leave(出かける)」状態ではないが、その周りにいる(もうすぐ出かける)ということを表す。
その他にも、It is about time to leave.(そろそろ出かける時間だ)という使い方もあり、これも「time to leave(出かける時間)」の周り、つまりそろそろその時間になるということだ。
ちなみに、timeの後ろをthat節で説明する場合は、It is time that I left.とthatの中は過去形になることにも注意してほしい。
これは、そろそろやるべき時間だけどまだやっていない、という仮定法の反事実のニュアンスを含むからだ。
【例】
I am about to study English. 私は英語の勉強をするところだ。
It’s time we got back to work. そろそろ仕事に戻る時間だ。
その他
あまり使わないかもしれないが、それ以外の表現も紹介する。
walk about the street:通りのあちこち歩きまわる(⇒streetの周りを歩くイメージで、外周するわけではなくボンヤリとしたエリアのイメージで、「あちこち」となる)
bring about many changes:多くの変化をもたらす(⇒周りに持ってくるイメージで「もたらす」)
「around」はくっきりと周りを囲むイメージ
aroundのイメージ
くっきりと周りを囲む
aroundはボンヤリとしたイメージのaboutとは異なり、はっきりと周りをイメージさせる前置詞になる。
例えば公園の外周を歩く場合や特定の角を曲がる場合、特定の国中を旅行する場合などに使われる。
また、about同様に「約○○」という使い方もあるが、ボンヤリとおおよそのイメージのaboutに比べ、aroudはもう少しハッキリした印象となる。
aroundの使い方
~の周り、~を周って
これはaroundのもつイメージそのものというところだ。
たとえば、around the world(世界中)やaround Japan(日本中)は、世界や日本全体を巡ったようなイメージである。
また、周囲をまわるイメージとしては、around the park(公園の周りを)、around the corner(その角を周って)等、具体的なものの周りをイメージさせる。
【例】
I traveled around the world. 私は世界中を旅した。
She is running around the park. 彼女はその公園の周りを走っている。
The robber run away around the corner. その強盗はその角を曲がって逃げた。
およそ~
about同様に、約○○、およそ○○というような意味もaroundは持つ。
しかし、aboutはボンヤリとしたイメージだったことに対して、aroundはハッキリと周りをイメージさせる前置詞であるため、もう少し精度が高いイメージだ。
もちろん程度は人に寄るので、一概にどのくらいの幅を言うのかは難しいが、あんまりはっきり分からない状況か、ある程度分かっていて大体と言っているのかの判断はできるだろう。
【例】
I am going to get to the office around 15:00. 私はオフィスに15:00頃に到着します。
まとめ
aboutとaroundの使い分けは、ボンヤリとしているか、ハッキリとしているかということでイメージを持っておいてもらえれば、初めて聞いたイディオムでもなんとなく意味は分かると思う。
是非参考にしていただければと思う。
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