日本人は歯のメンテナンスに対する意識が低いと言われている。後ほど解説するが、実際に定期的に歯科医を受診する人の割合が低く、歯にかけるお金も少ないというデータがある。
歯はなくなっても入れ歯などがあるが、自分の歯が生涯残っていることは生活の質が格段に向上すると考えられることから、本記事では定期的な検診のススメについて解説する。
歯の価値は1本100万円⁉
インプラントは1本20万円程度+手術費
歯がなくなった場合に代わりにインプラントを入れる場合にはどのくらいの費用が掛かるだろうか。
インターネットでインプラント手術をやっている歯科医を調べてみると、1本あたり10~30万円くらいかかるようだ。病院によって値段は異なるため、一律では語ることは難しいが、20万円くらい掛かると考えてよいだろう。
さらには、歯のインプラントそのものが20万円程度であるだけで、手術する費用もかかることから安く見積もっても30万円は掛かるようだ。高いところでは1本50万円くらい掛かるようなところもある。
歯は親知らず除くと28本
歯は生後半年くらいから乳歯が生え始め、3歳くらいまでには生え揃う。この時は20本である。
その後、顎の成長に合わせて12歳くらいまでに乳歯が抜けて永久歯にが生えてくる。永久歯は親知らずを除くと28本あるということだ。
参考:日本臨床矯正歯科医会HP
歯の価値は1本100万円くらいと言われている
これは根拠はよくわからないが、いろいろなサイトや歯科医のHPなどで言われている。単純に前に取り上げたインプラントで考えても1本30~50万円かかることから、自分のもので病院などでメンテナンス不要ということも考えれば1本100万円はありうるかかくのように思う。
歯は28本あることから、口の中に2,800万円のものがあると考えられる。
日本は海外に比べて歯を大事にしない
LIONが過去にオーラルケアについて調査したものがあるが、日本人が如何に口のケアを気にしていないかということが分かるため、紹介する。
なお、全文は以下にあるため参考にしていただきたい。
https://www.lion.co.jp/ja/company/press/2014/pdf/2014023.pdf
日本人は6割以上がオーラルケアに「自信なし」
調査の中で「オーラルケアに自信があるか?」という質問を行った。アメリカは「自信がある方だ」と「どちらかと言えば自信がある方だ」合わせて80%超、スウェーデンでは約90%程度である。これに対して、日本は自信がある人は40%に満たず、60%以上の人が自身がないと回答している。
日本人は歯のケアにお金を掛けない
「オーラルケアにお金をかけるか?」という質問について、お金をかけるべき(「多少お金をかけてでも行うべき」と「どちらかといえばお金をかけるべき」)と考える人が3/4(75%)もいるのに対し、日本人は半分程度がお金を掛けたくないと回答している。しかも強くお金をかけるべきと考える人は10%程度しかいない。
このお金を掛けたくないという意識は、実際にかけている金額にも反映されている。年間にいくらかけているかを聞いた質問について、アメリカやスウェーデンは年間8,000円程度かけているのに対して、日本は5,000円とかなり低くなっている。
しかもデンタルフロスなどの使用率もアメリカは60%程度、スウェーデンは50%程度であるのに対して、日本は20%程度と相当少ないことが分かる。
日本人は歯科定期健診を受けていない⁉
1年間に歯の健康診断を目的に歯科医を受診した回数を質問した結果もある。これについて、アメリカは2回が最も多く 35%程度(グラフオレンジ)、スウェーデンは1回が最も多く 57%(グラフ水色)であった。
しかし、日本は最も多い回答は「受けていない」だ。そしてそれは半数以上である57%であった。ほとんどの人は定期的に検診を受けていないということである。
定期的な歯科受診のススメ
8020運動
日本歯科医師会では「8020運動」というものを推進している。これは、80歳まで20本以上の歯を保とうというものである。永久歯は親知らずを除いて28本であることから、7割くらいは残したいということになる。
歯科医師会によると、20本以上の歯があれば食生活でほぼ満足できるということだそうだ。
一方で、達成率は低く2007年(平成19年)で25%ということである。それから10年以上経過していることからこの達成率は上がっているかもしれないが、日本人はオーラルケアの意識はそれほど高くないことから、劇的に改善しているとは考えにくい。
参考:日本歯科医師会HP
予防は保険の範囲外になるため、定期健診については歯科医に相談してみよう
日本は予防については保険の範囲外であることが多く、費用が高くなることが多い。これは歯科でも同様であり、基本的に虫歯やかみ合わせの治療でない限りは自費なってしまい、多くの費用が掛かってしまう。
しかし、歯周病に悪影響を及ぼす可能性があるなどの診断を受けた場合は、健康保険が適用され3割負担でできることがある。
これには1ヶ月に1回に限りとか、6か月空けなければならないとか、いろいろ制限があるようだ。しかし、これは歯科医で相談すれば可能であることから、是非一度歯科を受診して、保険でできる範囲でできないか相談してもらえればと思う。海外の例も見れば年に1~2回見てもらえば比較的十分であると考えられることから、6か月空ける等の制限もあまり気にならないだろう。
1回の検診で4,000~5,000円くらいの負担になるが、年に1万円以下で健康な歯が保つことができるのであれば受けて損はないだろう。
デンタルフロスも活用しよう
歯科医を受診すると、歯の手入れの仕方も教えてくれるところが多いと思う。そこで言われるのは、デンタルフロスをやることを勧められるだろう。
私も3年位前から歯科医を通っているが、決まってフロスをやることを勧められる。そこで、私もフロスを定期的に行うことを決めた。さすがに毎回歯磨き後にやるのはめんどくさすぎるため、夜寝る前の歯磨きの後だけやることにしている。それでもやらないよりやった方が良いと思うので、是非お勧めする。
なお、フロスは糸状のものが多いが、非常にやりにくいため、使い捨てにはなるが私は以下のものを使っている。こちらも参考にしていただければと思う。
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